社内SEは簿記を勉強すべき?簿記2級をおすすめ
社内SE(システムエンジニア)の方から、簿記について次のような質問を受けることが多いです。
「社内SE」をやっているけど、企業の数字、経理とかそういう知識がよく分からない
「社内SE」として仕事するうえで、簿記の知識は必要?
会計システムの担当になったけど、何をすればいい?
回答としては、
「マネジメント層」、「会計・経理システム担当」の社内SEは、日商簿記2級レベルの内容は把握しておくべきです。
本記事では、社内SEが簿記を勉強する意図・勉強方法について紹介します。
僕の経歴は以下の通りで、実態ベースで社内SEが簿記を学ぶことについて書きます。
・NTTDATAで4社のITコンサル・システム開発案件に従事し、外部から社内SEを見てきた
・現在、事業会社の情報システム部で社内SEとして3年間勤務
・専門学校の講座を1年以上受講し、日商簿記1級を取得
簿記を勉強すべき社内SE
社内SEの中でも、次の2つに該当する人は、簿記の勉強をした方が良いです。
・社内SEのマネジメント層
・会計・経理システム担当
社内SEのマネジメント層
社内SEのマネジメント層は、会社のシステム戦略をに担っているといっても過言ではありません。
中長期的なIT、システムの戦略を立てておく必要があり、これには会社全体の経営成績、財務状況の把握・理解が必須となります。
これには、現時点のP/L、B/Sだけではなく、今後のキャッシュの流れの考慮が必要となります。
また、新たなシステム投資をする際は、正味現在価値法(NPV)等を用いて、今後の潜在的収入、支出、時間価値も意識する必要があります。
このように会社のシステムを管理するだけでなく、システムに連動しているカネの動きに精通している必要がありまます。
会計・経理システム担当
会計システム担当の社内SEは、日々、経理部/財務部と話し合い、システムを設計、構築、運用するという業務がメインです。
この時に、経理/財務部と対等に業務の話を行うためには、簿記・会計の知識は必須となります。
会社の会計システムを改修するとしても、ほとんどが一部の機能のみで、あまり簿記自体を勉強する必要がないと感じるかもしれません。
ただ、会計業務、お金の流れは、大枠では繋がっているため、体系的に会計・簿記を把握し、理解することをお勧めします。
社内SEが目指す簿記のレベル
社内SEは、あくまでシステム・ITが専門となりますが、日商簿記2級のレベルまで理解することをお勧めします。
日商簿記のレベルはざっくりいうとこんな感じです。
・日商簿記3級 : 個人商店の収支を管理する
・日商簿記2級 : 株式会社(主に中小)の収支、経営成績、財務状況を管理する
・日商簿記1級 : 株式会社(主に大企業)の収支、経営成績、財務状況を管理する
日商簿記2級まで勉強することで、株式会社の経営成績、財務状況の80%ほどの内容は理解でき、会社を財務の視点から見ることができます。
社内SEの簿記の勉強方法
社内SEは、テクノロジーの情報をインターネットから断片的に取り入れることが多いです。
これは、旬な情報を取り入れる、必要な情報だけ取り入れる際にはとても効果的です。
ただ、簿記を勉強する際は、簿記の専門学校で、体系的に知識を取り入れることをお勧めします。
僕自身が、利用していた日商簿記1級の勉強で、利用していた専門学校2校を紹介します。
【通って勉強する】
受講者数が多く大手のため、ここの教材をしっかりやっておけば無難
自習室があり、講師・チューターが常駐し、いつでも質問できる
【家で勉強する】
コアの部分に重点を置き、効率的に勉強できる
他の予備校と比べて、お手頃の値段でコスパがいい
社内SEが簿記を勉強して良かったこと
最後に、僕が簿記を理解していて良かったことを書いて終わりにします。
・IT業務の経験に加え、簿記の資格があることで箔がつき、転職ができた
・庶務業務に会計伝票の起票、転記をする際も、後続の会計処理をイメージできる
・予算策定作業がスムーズに行える
・経理/財務部よりも経理・会計知識が詳しくなり、業務を教えることもある
・EDINETで財務諸表を読めば、その会社の経営状況が大体わかる
・・・
こんな感じで、簿記を勉強しても無駄ではありませんでした。
以上となります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
社内SEの仕事内容とは
社内SEに必要なスキルは?
社内SEのおすすめ資格は?