回答としては、
本記事では、実際に社内SEが行っている筆者が、社内SEが行う調整の仕事とそれを対処するコツを紹介します。
本記事の内容
・社内SEが行う3つの調整・折衝
・社内SEが調整・折衝を行うときの5つのコツ
・【まとめ】社内SEが行う調整・折衝について
本記事の信頼性
・大手SIerのNTTDATAで4社のITコンサル・システム開発案件に従事し、外部から社内SEを見てきた
・現在、事業会社の情報システム部で社内SEとして3年間勤務
社内SEが行う3つの調整・折衝
社内SEが行う調整・折衝は、相手別に分類すると、大きく3つに分かれます。
・従業員との調整
・外部ベンダーとの調整
・他の社内SEとの調整
それでは、社内SEが行う3つの調整についてみていきます。
従業員との調整
1つ目は、従業員との調整です。
IT系の企業でない場合は、従業員はITについて詳しくありません。
このため、普段の業務のやり方で不満があると、社内SEである情報システム部門に多々の要望や問い合わせが来ます。
要望や問い合わせの例
・この業務をシステム化して効率化できないか?
・このシステムは、ココが使いづらい。改修できないか?
・軽くて、持ち運びやすい端末が欲しい。
・・・
これに対して、社内SEは従業員やシステムの所管となる担当部門と次の3つを調整することとなります。
・実現可否(どこまでならできるか?)
・対応希望時期
・予算額と予算計上箇所(担当部門 or 情報システム部門)
どうしてもITに詳しくないと、これくらいすぐにできるでしょと思われがちなことろがあるため、丁寧に説明し理解してもらうことが重要となります。
また、システム化の予算を情報システム部で持つことになる場合は、従業員側にもコスト意識を持ってもらうことも重要となります。
外部ベンダーとの調整
2つ目は、外部ベンダーとの調整です。
社内SEは、自社でシステムを開発せずに外注する、もしくは、他社パッケージやサービスを利用する会社が多いです。
従業員・担当部門からの要望に応えるため、外部ベンダーへの要求事項を整理し、これを正確に伝えます。
この時は、ただ社内からの要望をそのまま伝えるのではなく、システム化のイメージを社内SEで掴んでから、外部ベンダーに伝えると良いです。
外部ベンダーとは、次の内容を調整することになります。
・仕様
・スケジュール
・発注金額
特に仕様については、システム化イメージを具体化しすぎると、外部ベンダーは視野が狭くなり、具体化された範囲のみの提案になることもあり注意が必要です。
他の社内SEとの調整
3つ目は、社内SE内での調整です。
社内SEの部署である情報システム部門も、システム計画、システム開発、システム運用、インフラ基盤等のように役割毎に所属が分かれれていることが多いです。
(中小企業では、数名ですべての業務業務を網羅している会社もあります。)
このため、1つのシステムを導入するとしても、アプリ、サーバ、ネットワーク、セキュリティ等、複数の所属の関係者の確認・検討が必要になります。
情報システム部門内の他所属に対して、次のことを確認し調整します。
・技術的な確認
・所要コスト
・対応可能時期
・他所属の人員リソース、労務量
実際の会社では、同じ情報システム部門内でも、コストをどの所属で持つか、どの所属の人が担当するかをシビアに見ることが多いので、この調整が大変になることも多いです。
ここでは、同じ会社の社内SEとして、協同・協力して業務を遂行していくのが大事になります。
社内SEが調整・折衝を行うときの5つのコツ
ここでは、僕の実体験を基に、実際に効果があった社内SEの調整・折衝をスムーズに行うためのコツを5つ紹介します。
・相手が考えている真意を考える
・相手の意思決定者を認識し、その人へのアプローチを意識する
・調整する内容の着地点を事前に想定しておく
・相手に旨味があることも伝える
・テキスト化して認識を合わせ、結論事項を明確にする
相手が考えている真意を考える
根本的に相手との意見や思いにずれがあると、調整にも労力がかかります。
まず、調整先の相手がどうしたいのか、相手の根本の意図を予想しつつ探っていくのが調整もスムーズにする上で大事なります。
相手の意思決定者を認識し、その人へのアプローチを意識する
調整先の相手にいくら言っても、相手に意思決定権がなく、上司などの他の人に追従する人だと調整がうまく進みません。
調整先を意思決定者を見つけ、その方に直接的・間接的にアプローチをするのが効果的です。
どうしても自分からアプローチしづらい場合は、自分の上司から言ってもらう等のように、より意思決定者に響くように働きかけるのも有効になります。
調整する内容の着地点を事前に想定しておく
何かを調整する際、準備なしでやり取りするだけでは、何も進みません。もしくは、間違った方向に進んでしまいます。
調整する前に、自分の中で着地点(落としどころ)を想定し、そこまでの道筋を考えて置くのが良いです。
また、相手の意見に応じてパターン分けして着地点を決めておくと更に良いです。
相手に旨味があることも伝える
自分がいくら論理的に説明しても、相手は一切納得しないこともあります。
これは、相手が得することがなく、感情的に調整内容を認めてないことが考えられます。
こういったときは、論理的に話を突き進めるのではなく、相手にも何かしらの旨味を伝えつつ話を進めるのが良いです。
「論理的に説明する」というよりは、「説得するために説明する」という意識が重要になります。
テキスト化して認識を合わせ、結論事項を明確にする
調整そのものについては、細かい確認や相手の反応を見ながら決めていくこともあるので、会議、電話で口頭で行うのが良いです。
ただ、調整内容が決まると、テキスト化しメール等で認識を合わせ、決まったことを明確にしておくことが重要です。
調整までしたのに形に残してないと、あとで水掛け論になりかねません。
メール、社内コミュニケーションツール等で、後から調整内容を確認しあえる状況にしておきましょう。
【まとめ】社内SEが行う調整・折衝について
ここまで、社内SEが実際に行う調整・折衝とそれに対処するためのコツを紹介してきました。
社内SEは、その名の通り、自社社員として社内のシステムエンジニアのため、他のIT業種と比べて、どうしても調整業務が多くなります。
これは、良くない点と考えることが多いですが、次のように考えることもできます。
ポイント
社内SEは、IT業種の中でも、顧客(従業員)に一番寄り添って、IT施策の提案、システム開発・運用ができる。
なので、よりユーザーに寄り添ってシステムを構築したいという方は、ぜひ社内SEも今後のITキャリアの候補の1つに入れるのもアリですよ。
以上となります。最後まで読んで頂きありがとうございました。